施設に入った親の家を売却する流れは?空き家をそのままにするリスクも解説

「親が施設に入ってから、実家が長期間空き家で負担になって困っている」
「施設に入った親の家を売却する流れを知りたい」
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

施設に入った親の家はそのままにしておくと、負担が増えたり、売れなくなったりします。売却するときは、親に家を売る意思があるのか確認しましょう。

この記事では、施設に入った親の家を売却する流れを解説します。また、親の家を売却する以外の方法や、空き家をそのままにするリスクについてもお伝えします。

施設に入った親の家の売却に悩んでいる方は、参考にしてください。

施設に入った親の家を売却する流れ

施設に入った親の家を売却する流れは、以下のとおりです。

  1. 売却の意思があるか確認する
  2. 本人がやり取りできないときは委任状をもらっておく
  3. 不動産業者に相談する

一つずつ見ていきましょう。

1.売却の意思があるか確認する

家を売却する前に、持ち主である親に売却の意思があるか確認します。

売却の意思があれば、家を売る手続きが可能です。

しかし、持ち主が「今まで住んだ家を手放したくない」という意向がある場合は、必ず売却できるとは限りません。

不動産業者に相談する前に家族の意思を確認しておくと、トラブルにならずに済むでしょう。

2.本人がやり取りできないときは委任状をもらっておく

親が不動産業者とのやり取りが難しい場合は、委任状をもらっておきましょう。

施設に入居している方が不動産業者と頻繁に連絡すると、身体的な負担になるからです。負担が増えると、体調を崩すリスクもあるのです。

委任状をもらっておくと、不動産業者と売却をスムーズに進められます。

委任状のフォーマットは、ネットからコピーしたものや不動産業者が用意したもので構いません。

3.不動産業者に相談する

売却の意思があることを確認できたら、不動産業者に相談しましょう。

不動産業者に相談すると、物件について下記を質問されます。

  • 売却理由
  • 住所
  • 間取り
  • 築年数・建築方法
  • 設備・リフォーム歴
  • シロアリや雨漏りなどのトラブルの有無

上記を説明して物件の調査内容や査定額、スタッフの対応で売却を任せるか決めましょう。

任せる不動産業者が決まったら、家は親のものであることを説明し、委任状をもらっていると伝えましょう。

北海道にある家の売却に悩んでいる方は、あんしるへご相談ください。あんしるでは、不動産に関する相談が無料です。

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施設に入った親の家を売却する以外の方法

施設に入った親の家を売却する以外の方法には、下記があります。

  • 家族が住む
  • 賃貸で運用する
  • 駐車場として貸し出す

ご家族から売却の意思が確認できなかったときの参考にしてください。

家族が住む

売却する以外にも、施設に入った方の家族が住む方法があります。

住み慣れた環境で生活できたり、親が外泊するときも慣れた環境で過ごせたりするメリットがあります。

また、賃貸で生活していた方が家に戻ると住宅費がかからないため、金銭的な負担を軽減可能です。

しかし、家族が遠方に住んでいたり、既に家を持っていたりすると、残された家に引っ越すのは現実的ではありません。

家族が住めない場合は、他の2つの手段を検討してみましょう。

賃貸で運用する

実家を賃貸で運用すると、継続的な収入に期待できます。空き家にならないため、物件の管理にかかる時間や費用も軽減できるでしょう。

しかし、家の売却に同意しない親から、賃貸運用で承諾を得られる可能性は低いかもしれません。

また、賃貸で運用する場合は、住居設備をリフォームしたり、家財整理したりと費用や手間がかかる点に注意しましょう。

賃貸需要の少ない地域では、借り手が見つからず空き家になるリスクもあります。

住居目的の賃貸で借り手が見つからない場合は、店舗や事務所として貸し出す方法も検討しましょう。

駐車場として貸し出す

親の家の土地で車を停められるスペースがある場合は、駐車場で運用が可能です。他人が家に入らないため、親から承諾も得やすいでしょう。

駐車場で運用できると継続的な収入となり、自宅の管理にかかる費用をまかなえます。

空き家の運用方法に悩む方は、あんしるへご相談ください。

施設に入った親の家をそのままにするリスク

施設に入った親の家をそのままにするリスクは、以下のとおりです。

  • 維持費や固定資産税がかかる
  • 物件の管理に時間が必要になる
  • 空き巣被害に遭うリスクがある
  • マイホーム特例が利用できなくなってしまう
  • 将来的に売れなくなったり価格が下がったりする可能性がある

一つずつ解説します。

維持費や固定資産税がかかる

持ち家には、維持費や固定資産税がかかります。固定資産税は毎年徴収されるため、金銭的な負担になるでしょう。

維持費は、庭の管理や水道・排水などを定期的におこなうためにかかります。親の家の近くに住んでいれば、定期的に家族がおこなえるでしょう。

しかし、遠方に住んでいる場合は、維持のために時間や交通費が必要となり、労力がかかってしまうのです。

交通費や時間をかけずに維持する方法は、不動産業者に管理を依頼することです。

北海道内の物件であれば、あんしるにご相談いただくと、月額3,000円から空き家管理を受け付けています。物件により費用が異なるため、詳細はお問い合わせください。

物件を売却できると、維持費や固定資産税がかからないため、金銭的な負担や維持のためにかかる労力を軽減可能です。

物件の管理に時間が必要になる

親の家に誰も住んでいない場合は、管理が必要です。管理内容は、庭の掃除や通水・換気などがあります。

先ほども解説したとおり、物件管理には時間がかかります。短期間であれば苦にならないかもしれません。

しかし、施設に入った親が退所するまでどれくらいの期間がかかるかは、わかりません。 入居期間が長くなり、物件管理にかかる時間が増えると、生活の負担になってしまうでしょう。

空き巣被害に遭うリスクがある

施設に入った親の家をそのままにしておくと、空き巣被害に遭うリスクがあります。

警察庁によると、2023年の空き巣被害認知件数は、約1万7,000件と報告されています。

認知されている件数のため、田舎の住宅では知らないうちに空き巣に入られている可能性もあるのです。

空き巣に入られてしまうと、窓が割られたり、屋内が荒らされたりして、修理のための費用がかかってしまいます。

参考記事:侵入窃盗の発生場所別認知件数 (警察庁)

マイホーム特例が利用できなくなってしまう

親の家に3年間誰も住まない状態が続くと、マイホーム特例が利用できなくなってしまいます。

マイホーム特例は、売却で得られた利益が3,000万円まで非課税になる制度です。もし、自宅を売却して利益が出た場合、税金がかかります。

マイホーム特例を利用すれば、払う必要のなかった税金を取られる可能性もあるのです。

たとえば、自宅を売却して1,000万円の利益があった場合、長期居住の自宅売却にかかる税金は20.315%のため、約203万円の税金がかかります。

マイホーム特例を利用できると、上記の税金は0円になります。制度を利用できるうちに売却しましょう。

もし、自宅売却の意思がない場合は、相続した物件を売却するときに利用できる特例控除もあります。詳細は下記の記事で解説しているため、参考にしてください。

参考記事:No.3302 マイホームを売ったときの特例 (国税庁)

将来的に売れなくなったり価格が下がったりする可能性がある

施設に入った親の家をそのままにしておくと、将来的に売れなくなったり、価格が下がったりするリスクがあります。

内閣府によると、2018年時点で70歳以上の持ち家率は、約80%と報告されています。持ち家の方が、亡くなったり、施設に入ったりすると空き家は増加していくでしょう。

日本人は人口が減少しており、地方に住む方は減少しています。また、高齢化が進んでいるために、地方に住みたいと考える方は今後減っていくでしょう。

また、空き家が増加していることも、価格が下がる可能性の一因です。

総務省によると、2023年の空き家数は900万2,000戸と報告されており、2018年よりも約50万戸増えています。

地方の空き家をそのままにしておくと、売却できなかったり、ローン残債がある物件では手出しが必要になったりするかもしれません。

売却する意思が少しでもある場合は、早めに行動しましょう。

参考記事:令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 (総務省)

令和6年版 高齢社会白書 (内閣府)

施設に入った親の家を売却するときの注意点

施設に入った親の家を売却するときの注意点には、下記があります。

  • 住民票は移動しておく
  • 親の意向を確認してから売却する
  • 認知症を発症すると売却手続きが複雑になる
  • 施設から退去する場合に戻る場所がなくなってしまう

それぞれ見ていきましょう。

住民票は移動しておく

住民票が自宅のままになっている場合は、異動しておきましょう。

施設に入居した方の住民票異動は義務ではありませんが、売却した家に家族への郵便物が届いてしまいます。

要介護認定された方が他の市町村へ住民票を異動する場合は、14日以内に転入した地域に住民票を提出しましょう。

14日以内に提出しなかった場合、要介護認定が引き継がれず、サービスを受けられなくなってしまいます。

親の意向を確認してから売却する

家の売却には持ち主の同意が必要です。冒頭でも解説したように、家を売却するのか親の意向を確認してから、手続きを始めましょう。

売却する意向を確認せずに手続きを始めると、トラブルの元となり、家族関係に悪影響を与えるかもしれません。

認知症を発症すると売却手続きが複雑になる

親の家を売却する期間が長引いて、認知症を発症した場合、手続きが複雑になります。

認知機能の低下により、正しい判断ができない状態の親の判断では、売却できなくなるのです。

認知症が発症した親の家を売却するためには、成年後見制度を利用しなければいけません。

しかし、成年後見制度を利用して売却する場合、後見人の選任や裁判所の許可が必要になるため、6ヵ月程度かかります。

認知症を発症して判断能力が低下すると、売却手続きが複雑になるため、売却を考えているときは早めに動きましょう。

施設から退去する場合に戻る場所がなくなってしまう

親の家を売却すると、退去や外泊するときに戻る場所がなくなってしまいます。

施設に入所しても、外泊の予定があったり、退去できる見込みがあるときは、必ずしも自宅を売却する必要はありません。

退去する可能性があるときは、本人の意思を再確認して、退去後の生活場所を考えておきましょう。

まとめ|施設に入った親の家は売却意思が確認できたら動きだそう

今回は、施設に入った親の家を売却する流れについて解説しました。親の家を売却するためには、意思確認が重要です。

売却意思があれば、信頼できる不動産業者に相談して、手続きを進めましょう。

誰も住まなくなった家をそのままにすると、空き巣被害に遭ったり、金銭的な負担になったりします。

北海道で施設に入ったご家族の家を売却したいと考えている方は、あんしるにご相談ください。

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