生活保護で身元保証人がいないときの対処法は?施設や病院を利用できるかも解説

「親が生活保護を受給していて、施設に入ることになったけど保証人になりたくない」「保証人にならなくて済む方法を教えてほしい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

保証人になりたくないときは、保証人不要の施設を探したり、身元保証サービスを利用したりする方法があります。

この記事では、身元保証人の役割や、保証人になりたくないときの対処法について解説します。

身元保証人の役割

身元保証人の主な役割は、以下のとおりです。

  • 利用料を滞納したときの対応
  • 緊急時の対応や状態が悪化したときの説明
  • 亡くなられたときやその後の手続き

それぞれ見ていきましょう。

利用料を滞納したときの対応

入居されている方が利用料を滞納したときに、身元保証人になっていると支払いを求められるケースがあります。

生活保護を受給している方の施設や病院の利用料は、扶助の範囲内で済むように考えられています。

しかし、生活保護の扶助には、施設の場合は日常生活費の支払い、病院では病衣などの貸し出し料金は含まれていません。

毎月の支給額から支払いが可能であれば問題ありませんが、金額が足りなければ身元保証人に連絡がかかってくるかもしれないのです。

緊急時の対応や状態が悪化したときの説明

親の状態が悪化したり、危篤になったりしたときに、事前に緊急時の対応が決まっていなければ、病状説明を受けなければいけません。

病状説明の際に、本人が事前に対応を伝えていなければ、延命治療の希望の有無も尋ねられます。

延命治療を希望する場合は、人工呼吸器を使用するのか、心臓マッサージをおこなうのかなども尋ねられるでしょう。

家族が施設に入居したり、入院したりするときに身元保証人になる方は、緊急時の延命治療について話し合っておきましょう。

亡くなられたときやその後の手続き

生活保護を受給している方が施設で亡くなられたときに、身元保証人は、ご遺体の引き取りや葬儀などの手続きが必要です。

ご遺体の引き取りは施設や病院と事前に話し合っておくと、電話連絡で死亡確認をおこない、葬儀会社に手配してもらえるケースもあります。

また、ご本人が亡くなられた際に実家がある場合は、遺品整理も必要です。

病院や施設に入居するときに、家財整理について事前に相談しておくことも重要です。

生活保護が高齢者に多い理由

生活保護が高齢者に多い理由は、単身世帯の高齢者が増加し、年金のみでの生活が厳しくなっているためです。

厚生労働省によると、生活保護受給者の約5割は高齢者であり、ほとんどが単身世帯です。単身世帯では、自身の年金だけが収入になるケースも少なくありません。

令和7年度の国民年金は、月額6万9,308円と報告されています。

近年は物価が高くなっているため年金も増加していますが、それだけでは足りず生活保護の受給者が増加しているのです。

参考記事:令和5年版高齢社会白書 高齢化の状況(内閣府)

生活保護の被保護者調査(令和6年12月分概数)の結果を公表します(厚生労働省)

令和7年度の年金額改定についてお知らせします

生活保護の身元保証人になりたくないときの対処法

生活保護の身元保証人になりたくないときの対処法は、以下のとおりです。

  • ケースワーカーに相談する
  • 身元保証サービスを利用する
  • 身元保証人が不要な住宅や施設へ入居する
  • 必ずしも引き受ける必要はないため家族に断っておく

一つずつ解説します。

ケースワーカーに相談する

親の身元保証人になりたくないときは、事前にケースワーカーに相談してみましょう。

生活保護を受給している方には、必ず担当のケースワーカーがいます。

ケースワーカーに相談すると、身元保証人が不要な施設を探してもらえたり、緊急時の連絡先になってもらえたりします。

ケースワーカーは身元保証人になってもらえない点は注意してください。

身元保証サービスを利用する

身元保証人になりたくないときは、身元保証サービスを利用することも一つの手段です。

身元保証サービスを利用すると、緊急時の対応や生活におけるサポートを受けられます。

しかし、一般的な身元保証サービスの場合、料金が高く生活保護の方では支払いが難しいのです。

ご家族が本人の代わりに費用を支払い契約するケースもありますが、金銭的な負担があります。

当社では、生活保護の方も無理なく利用できる身元保証サービスを提供しています。

札幌市や札幌市近郊の方で身元保証サービスを利用するべきか悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。

身元保証人が不要な住宅や施設へ入居する

生活保護の方が施設や住宅を探す場合は、保証人が不要なところに入居しましょう。

自治体が運営する公営住宅には、保証人不要の物件があります。老人ホームも保証人不要の施設があるため、探してみるとよいでしょう。

しかし、保証人が不要な物件や老人ホームは、数が限られているため入居待ちになってしまうかもしれません。

保証人になりたくない場合は、今後に備えて早めから情報収集をして家族に相談しておきましょう。

必ずしも引き受ける必要はないため家族に断っておく

身元保証人は、家族だからといって必ず引き受ける必要はありません。

施設に入居、病院に入院する方の中には、家族が遠方であったり、関係が悪かったりして、引き受けてもらえない方もいるのです。

保証人になりたくない場合は、家族に事前に断っておくのも一つの手段です。

また、ケースワーカーや施設を探すときのスタッフにも保証人にはなれないことを伝えておくと、トラブルを予防できます。

生活保護で身元保証人がいないと悩んでいる方からよくある質問

生活保護で保証人がいなくても入院できますか?

生活保護で保証人がいなくても、入院は可能です。病院は保証人がいないことを理由に、入院を拒否できないと規定されています。

しかし、保証人がいないと入院費が支払えないリスクがあるため、入院時に保証金を預かったり、入院後に身元保証サービスを勧められたりするかもしれません。

参考記事:身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて (厚生労働省)

生活保護で身寄りがなくても施設入居はできますか?

生活保護で身寄りがなくても施設入居はできます。

何かあったときの連絡先はケースワーカーに依頼したり、福祉協議会や身元保証サービスを利用したりする方がいます。

北海道内で生活保護の方が入居できる施設であれば、あんしるがサポートいたしますのでご相談ください。

生活保護の身元保証人がいないときは身元保証サービスを検討しよう

今回は、生活保護の身元保証人における役割やなりたくないときの対処法について解説しました。

身元保証人は、緊急時の連絡や利用料が支払えなかったときの対応を依頼されるケースがあります。

しかし、家族だからといって身元保証人になる必要はありません。

あんしるでは、身元保証人が不要な老人ホームも紹介しています。北海道内で老人ホームを探している方は、無料で利用できるためお気軽にご相談ください。

また、一般社団法人あんしるLIFEでは、札幌市とその近郊に住んでいる生活保護の方に向けた身元保証サービスも提供しています。

家族が生活保護で保証人をどうするべきか悩んでいる方は、一度あんしるにご相談ください。