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「両親が認知症になってしまいどうしたらいいかわからない」「認知症同士の生活は良くないことはわかるけど、リスクを詳しく教えてほしい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
認知症の夫婦が自宅で過ごすと、お薬を飲み忘れたり、必要な介護を提供されなかったりするリスクがあります。
単身で生活する認知症の方と比較して、火の不始末などのトラブルが発生する可能性も高くなるでしょう。
この記事では、認認介護の現状や問題点、解決策について解説します。認認介護について知りたい方は読んでみてください。
認認介護とは、認知症のある方のみが過ごす家庭のことです。
介護する方、受ける方も認知症があるため、さまざまなリスクがあります。
たとえば、介護する側が認知症の場合、介護を受けている方が服用するはずの薬を飲ませ忘れてしまったり、排泄や食事のケアが必要にもかかわらず提供されなかったりするのです。
薬を飲み忘れると、病気によっては体調が悪化する可能性もあり、危険な状態に陥ってしまうかもしれません。
また、火の不始末や徘徊が起きても相手が気付かないケースもあり、周囲の協力が必要な状態といえるでしょう。
内閣府によると、2022年10月1日時点で65歳以上の高齢者数は、3,624万人と報告されています。
65歳以上で認知症の方は、軽度認知症(MCI)も含めて約1,000万人と報告されており、約3人に1人は認知症なのです。
夫婦で認知症を抱えながら生活しているケースも見られています。
今後も高齢化率が増加するため、認認介護は増えていくといえるでしょう。
参考記事:令和5年版高齢社会白書 1.高齢化の現状と将来像(内閣府)
認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計(厚生労働省)
認認介護の問題点には、下記があります。
認認介護の問題点・デメリットは、老老介護の後に起きる可能性が高く、事前の準備が必要です。
問題点について見ていきましょう。
冒頭で解説したように認認介護では、薬の管理ができないリスクがあります。
お薬は自宅で生活を続けるうえで必要なものが多く、管理できなければ夫婦での生活は難しくなるでしょう。
認知症になると、徘徊を起こす可能性があります。
認認介護の状態では、相手がどこに行ったかわからなくなり、徘徊していても気付かず、行方不明になり最悪のケースを招く恐れもあるのです。
認知症の方は、判断力や記憶力が低下しています。
認認介護の生活では介護したのかを忘れてしまい、本来おこなうはずのケアをせずに過ごすケースがあるのです。
ケアが提供されない状態では、排泄物がそのままになったり、同じ体勢で過ごしたりして、床ずれ(褥瘡)ができてしまいます。
また、食事が取れていなければ脱水や栄養不足により、意識を失ってしまうケースもあるでしょう。
高齢になると、温度感覚が弱くなるため、暑さや寒さを感じにくくなったりします。
夏の暑い時期でもエアコンをつけずに生活したり、水分摂取量が少なかったりして意識消失や動けなくなるなどの脱水症状を起こすケースが増加します。
冬には、薄着で暖房をつけずに生活して風邪を引いてしまう可能性もあるのです。
また、雪の降る地域では雪かきを適切に実施できず、重みで家が潰れるリスクも増加します。
認知症になると金銭管理能力も低下するため、支払い管理ができません。
必要ないにもかかわらず、同じ物を何回も購入したり、送付状が届いたことを忘れてしまい、公共料金が支払えなかったりするのです。
公共料金が支払わなかった結果、ガスや電気が止まってしまい生活に困ってしまいます。
認知症になると、火の不始末を起こす可能性が上がります。
火の不始末で多い物には、たばこやガスコンロ、ストーブなどがあります。
消防庁によると、令和6年に起きた火災の原因に、たばこ、コンロ、電気機器、ストーブなどが上がっており、トラブルに発展するケースは高いといえます。
| 火災原因 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| たばこ | 3,038件 | 8.2% |
| たき火 | 2,770件 | 7.5% |
| コンロ | 2,702件 | 7.3% |
| 電気機器 | 2,548件 | 6.9% |
| ストーブ | 1,006件 | 2.7% |
火災を起こすと自分たちはもちろん、周囲にも迷惑をかけてしまいます。
近年のコンロやストーブ、電気機器は時間が経過すると自動でOFFになる機能が備わっているため、リスクがある家庭では買い換えによる予防も検討しましょう。
参考記事:令和6年(1月~12月)における火災の概要(概数)について(消防庁)
認認介護の解決策は、以下のとおりです。
認認介護になる可能性がある場合、上記のことを事前に準備しておけば、いざというときにもすぐに対応できます。
ひとつずつ解説するので参考にしてください。
家族の家が近い方は定期的に訪問すると、認知症の発症を早期発見できる可能性が高まります。
訪ねる目安は2週間に1回です。
1ヶ月以上間隔が空いてしまうと、認知症が発症し、自宅の掃除ができていなかったり、夏や冬では意識がなくなっていたりするケースもあるのです。
訪ねるのが距離的に難しい場合は、メールや電話などで定期的に連絡を取りましょう。
認認介護を予防するためには、見守りサービスの活用もおすすめです。
見守りサービスには、対面やガス・電気のメーター、センサーなどさまざまなものがあります。
電気やガスメーター、センサーは、動いていることはわかりますが、認知症を発症しているかは正確にわかりません。
認認介護の予防で見守りサービスを導入する場合は、対面サービスがおすすめです。
医療機関の受診日に同行すると、処方されている薬がきちんと飲めているのかわかります。
薬を飲めていれば、前回の検査結果と大きく変わる可能性は低いからです。
前回と検査結果が大きく異なる場合は、薬を飲めていないケースがあり、認知症を発症しているかもしれません。
また、受診した際に医師から説明された内容を理解しているか確認すると、認知症があるのかの目安にもなります。
ご本人の性格によりますが、医師からの説明を確認した際に、説明できない場合は認知機能が低下している可能性が高いでしょう。
お二人の認知症の程度によりますが軽度の認知症であれば、訪問介護・訪問看護などを利用すると自宅での生活を継続できる可能性があります。
しかし、訪問サービスを利用しても、自宅に認知症二人で生活する時間がどうしてもできるため、そこをクリアできるかが自宅もしくは施設での生活を選ぶ際のポイントになります。
自宅での生活を選ぶ際の目安として、トイレに関する動作が一人でできるかを指標にする家族が多くいます。
やはりトイレ動作で介助が必要な状態では、認知症同士の生活が難しく、介護する家族も大変に感じやすいのです。
介護サービスを利用して自宅での生活ができるか不安な方は、地域包括支援センターや入院先の退院支援スタッフに相談してみてください。
介護保険サービスを利用しても自宅での生活が難しい状態でも「家で過ごしたい」と希望するケースもあるでしょう。
認知症の方が介護保険サービスのみで生活が難しいときは、インフォーマルサービスの活用も検討してみてください。
インフォーマルサービスは、市区町村や企業、ボランティアスタッフが提供しているサービスです。
配食サービスや家事援助、外出支援などさまざまなサービスがあります。
インフォーマルサービスを調べると、介護保険サービスでは対応が難しいニーズに応えられるサービスが見つかるかもしれません。
介護サービス・インフォーマルサービスを活用しても、二人で自宅の生活が難しいと判断した場合は老人ホームへの入居を検討しましょう。
認知症の親を介護するのは、子どもたちに疲労が溜まりやすく、ストレスを抱えたり、自分たちの生活を犠牲にしたりするケースもあるのです。
親の介護をすることも大事ですが、介護はいつまで続くかわからないため施設に任せても問題ありません。
近年は夫婦で入れる老人ホームもあるため「一人で過ごしてもらうのは悪いから、施設はやめたほうがいいのかな」と悩んでいる方も安心してください。
北海道で夫婦で入居できる施設を探している方は、あんしるへお問い合わせください。
認認介護は、同じ家で過ごす家族が認知症で介護している状態です。
高齢化率が増加する日本では、認認介護は今後増加する可能性があり、薬の飲み忘れや介護のケアが提供されないなどのさまざまなリスクがあります。
夫婦で認知症になる前に、定期的に訪ねたり、介護保険サービスを利用したりして、他者の目で以前と変化がないか観察してもらうと、認認介護を予防できるかもしれません。
もし、認知症を発症している場合は、自宅での生活は周囲にトラブルを起こす可能性があるため、老人ホームの入居も検討する時期といえます。
あんしるでは、北海道内の老人ホームを無料で探すサービスをしています。
認知症の方が入居できる老人ホームや夫婦で入れる施設もお伝えできるため、困っている方はお気軽にご相談ください。