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「親が要介護5の認定を受けたけど自宅で介護したい」「要介護5で在宅介護は無理って言われたけどほんと?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
要介護5の方の在宅介護は無理ではありません。
しかし、家族の介護体制や利用するサービスなど事前の準備をしっかりしなければ、介護を始めてから後悔する可能性が高いのも事実です。
この記事では、要介護5で在宅介護が可能な理由や、介護を始めてわかる負担について解説します。
また、在宅介護を始めるうえで事前に準備しておくものもお伝えします。自宅で介護を続けようか悩んでいる方は読んでみてください。
要介護5で在宅介護は無理ではありませんが、負担が大きくなります。
要介護5は常に介護が必要であり、近くに介護する方がいなければ、日常生活もままならない状態のため、一人暮らしはできません。
介護する方が仕事で忙しかったり、頻繁に外出したりする場合は、介護者は生活スタイルを変えなければならないため、ストレスになるかもしれません。
要介護5の認定者数は、令和5年度に厚生労働省がおこなった調査によると、約60万人と報告されています。
要介護度別に介護を受ける場所・割合は以下のとおりです。
| 要介護度 | 認定者数 | 老人ホームで介護を受ける割合 | 在宅で介護を受ける割合 |
|---|---|---|---|
| 要介護5 | 589,907人 | 40.2% (237,344人) | 44.9% (264,894人) |
| 要介護4 | 894,589人 | 39.8% (356,823人) | 49.4% (442,120人) |
| 要介護3 | 927,231人 | 26.3% (244,153人) | 64.0% (593,968人) |
要介護5認定者のうち、5人に2人は老人ホームで介護を受けています。
要介護3、要介護4の方と比較して在宅介護の割合が少ない点も、長期間続けるのは難しいといえるでしょう。
参考記事:令和5年度 介護保険事業状況報告(全国計)(厚生労働省)
介護を受けている人はどれくらい?(公益財団法人 生命保険文化センター)
要介護5の方の在宅介護で負担が大きくなる理由は、以下のとおりです。
ひとつずつ解説するので要介護5の方の在宅介護を考えている方は、参考にしてください。
要介護5の方は、基本的に自分で動けず、体位変換や食事・排泄など日常生活において常に介護が必要です。
常に介護が必要な方が自宅にいると介助の時間が多くなります。
厚生労働省によると、要介護5の家族を介護している方の約6割が「ほとんど終日」介護していると回答しているのです。
介護にかける時間が多くなると、自分の趣味の時間が作れなかったり、外出できなくなったりして、疲労やストレスが溜まってしまうでしょう。
参考記事:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
介護する方は、長時間のケアにより腰痛や体調不良を起こす可能性があります。
体位変換や排泄ケアは、かがんだ体勢でおこなったり、効率的な方法を知らずに腰に力を入れて体の向きを変えたりするため腰痛を発症してしまいます。
ある調査によると介護職で働く方の約6~8割が腰痛を訴えていると報告されており、普段介護しない方が実践すると腰痛を発症する可能性は高いといえるでしょう。
参考記事:介護者の腰痛予防を目指して –福祉用具の使用状況に関する調査–(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所)
介護サービスや医療費などが1割負担であっても、年金や貯金でまかなえなければ手出しが必要になり、経済的な負担になります。
いつまで介護が続くかわからないなかで、経済的な負担があると不安を抱えながらの介護となるでしょう。
生命保険文化センターが2024年に実施した調査によると、在宅での介護費用は月に約5.3万円と報告されています。
介護にかかる費用のみのため、医療費や食費、日常生活における費用をくわえると、施設の費用と大きく変わらず、介護による身体的な負担もあるのです。
介護にかかる費用のみを調べて「経済的な負担が軽くなる」だけの理由で、要介護5の方の在宅介護を始めるのは後悔する可能性が高いため控えましょう。
参考記事:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?(公益財団法人 生命保険文化センター)
要介護5の方を在宅介護する負担が大きいことを知っても、「まずは自宅で介護したい」と考える方もいるでしょう。
この章では、在宅で介護するときに準備するものを下記の項目に分けて解説します。
それぞれ見ていきましょう。
要介護5の方を在宅で介護する場合は、ケアマネジャーに相談して必要なサービスを一緒に考えてもらいましょう。
また、ケアマネジャー以外にも訪問診療や訪問看護・訪問介護など複数のサービスを利用します。
在宅介護を始める前には、ケアマネジャーや訪問サービスのスタッフと必ず話し合いをおこなって、準備を始めましょう。
介護保険サービスだけでは、対応できる時間が限られるため、在宅介護に慣れるまでは自費サービスも検討してみてください。
要介護5の方が移動する手段は、車椅子もしくはストレッチャーです。
自宅の廊下が車椅子で通れなかったり、高い段差があったりする場合は住宅改修が必要になります。
また、戸建てで生活スペースが2階にある場合は、1階で介護できる環境を整える準備も必要です。
冒頭でも解説したように、要介護5の方は常時介護が必要なため介護体制を確認しましょう。
介護体制を確認すると、仕事や学校などで介護できない時間がどれくらいあるのかわかり、利用するサービス内容も自然と決められます。
介護できない時間にはサービスを利用して、介護を受ける方が安全に過ごせる時間を作りましょう。
また、介護者が仕事・学校・介護を両立していくのは大変難しく、無理をすると体調を崩します。
介護する方・介護を受ける方、両者が安全かつ体調を崩さないようなサービス利用を複数の職種・スタッフで話し合いましょう。
ショートステイは、自宅で介護できないときに施設で宿泊するサービスで、1日~最大30日間利用できます。
施設で食事や入浴、排泄介助など日常生活に必要な介護が受けられるため、要介護5の方も安心です。
自宅での介護に疲れた方や、緊急の用事ができた際に利用するケースが多いです。
家族の用事や旅行などは、ご本人の同行が難しいケースもあります。
また、介護する方が病気になったり、入院したりする可能性もあるため、ショートステイ先は確保しておきましょう。
ショートステイができる施設を確保しておくと、一時的に介護ができない状態になっても対応してもらえるため安心です。
要介護5の方を在宅で長期間介護していると、疲労が溜まりやすいです。
実際に在宅介護を始めてから「介護ができない」と悩んで特養の申し込みをしても、数年待ちになるケースがあります。
在宅介護を始める際に並行して申し込みしておくと、タイミングが合えばすぐに入居できるかもしれません。
もし特養の入居順番がきたときに、在宅介護が続けられそうな場合は断ってもよいのです。
要介護5の方の在宅介護を始めるときは、特養への申し込みも検討しましょう。
要介護5で入居できる施設は、主に3種類です。
「在宅介護を始めたけれど、やっぱり施設にお願いしたい」と感じたときに入居できる各施設の特徴を解説します。
特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が入居できる施設のため、要介護5の方も入居できます。
排泄や食事などのケアを24時間提供してもらえます。ベッド上で動けない方の介護にも慣れているスタッフが多いため、安心して任せられるでしょう。
しかし、特養では医療的なケアが限られます。
たとえば、夜間に痰の吸引が必要であったり、中心静脈栄養や夜間のインスリン注射など、医療的なケアをおこなったりする方は、介護スタッフが対応できないため入居できません。
医療的なケアが必要な要介護5の方は、介護医療院を検討してみてください。
介護医療院は、看護師が24時間常駐しているため、医療的なケアを必要とする方が入居する施設です。
特養への入居を考えている方は、先ほども解説したように入居待ちの期間がある点に注意してください。
入居待ちになった場合は、次に解説する入居待ちの期間が短い施設も検討してみてくださいね。
住宅型有料老人ホームは、介護が必要なときに外部のサービスを契約して生活できる老人ホームです。
介護サービスの料金は利用した分の支払いとなるため、介護付き有料老人ホームよりも月額費用が安くなる点が魅力です。
しかし、要介護5の方は介護サービスを多く入れる必要があるため、金額が大きく変わらないケースもあるでしょう。
また、住宅型のスタッフからは介護サービスが提供されない点に注意が必要です。
常時介護が必要な方は、次に解説する介護付き有料老人ホームがおすすめです。
介護付き有料老人ホームは、24時間介護を受けられる施設です。
特養と比較して、アクティビティが多かったり、部屋が広い施設があったりします。
豪華な設備が整っている施設では、月額料金や入居金が高かったりするため事前にホームページやパンフレットで確認しましょう。
要介護5の方が介護付き有料老人ホームに入居するケースは、特養や介護医療院の順番を待つ際に利用したり、手厚い介護を受けたいと考えたりする方に人気です。
施設によっては安く入居できるため、多くの有料老人ホームを知っている紹介センターに相談してみましょう。
あんしるでは、北海道内の有料老人ホームを紹介しており条件に合う施設を探すサポートをしているので、お気軽にご相談ください。
要介護5の方の在宅介護は始める前に、家族の介護力の確認、利用できるサービスなどの準備が大切です。
事前の準備が不足していると、介護を始めてから挫折してしまうかもしれません。
要介護5の方の在宅介護をするべきか悩んでいる場合は、無理に自宅を目指さずに、有料老人ホームやサ高住で過ごしながら、介護体制を整えてみるのもよいでしょう。
介護技術や対応を習得してから自宅へ帰宅される方もいます。
あんしるでは、要介護5の方が入居できる北海道の老人ホームを無料で紹介しています。
「在宅介護ができなくなったけどどうしたらよいのか」などの相談もできるため、お気軽にご相談ください。