在宅介護で外出できないときに利用できるサービスは?介護疲れをチェックする方法も解説

「自宅で介護しているけど外出したときに家族がトラブルを起こしそうで不安」「介護以外のことに時間を使いたいけど、介護があるからどうにもできない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

在宅介護は家族が中心になり、外出できる機会が少なくなります。家族に認知症がある場合は、外出できる時間がさらに限られるでしょう。

介護保険サービスや自費サービスを利用すると、介護を一時的に任せられて外出できる時間が作れます。

この記事では、外出したい・自分の時間を作りたいときに利用できるサービスや相談先を解説します。

また、介護疲れのサインやチェックリストについてもお伝えするので読んでみてください。

在宅介護で外出できないときに利用できるサービス

在宅介護で外出できないときに利用できるサービスは、以下のとおりです。

  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 訪問介護・訪問看護
  • 小規模多機能居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 外出支援サービス
  • 買い物代行サービス

ひとつずつ利用条件や介護を任せられる時間・料金を解説するので参考にしてくださいね。

デイサービス

デイサービスは、7~9時間利用できるサービスです。

利用条件は、原則要介護1以上の方ですが、住民票のある市区町村内で「日常生活支援事業」に指定されたデイサービスであれば要支援でも利用できます。

1回の料金は介護度により異なり、1割負担でかかる基本費用は下記のとおりです。ここでは、通常のデイサービスにおける1回料金のみ解説します。

要介護度通常規模型介護通所
要介護1658円
要介護2777円
要介護3900円
要介護41,023円
要介護51,148円

上記の費用と別に、入浴料金や口腔ケアなどの施設別の加算や、自費の食事・おむつ代を含めて1回あたり1,000~2,000円程度です。

施設によって料金が変わるため、利用前に確認してくださいね。

要介護度によって利用できる回数は変わりますが、週に1日の日中だけでも預かってもらえると、外出できる時間を作れるでしょう。

また、デイサービスは食事やレクリエーションだけでなく入浴介助をしてもらえるため、「家でお風呂に入れるのが大変」と感じている家族にも人気です。

参考記事:介護報酬の算定構造(厚生労働省)

ショートステイ

ショートステイは施設や病院で利用できる制度で、要支援から要介護の方まで利用できます。

利用条件・費用は施設によって異なり、1泊あたりの料金は約数千円です。

ショートステイは介護度に合わせて1日〜最大30日間まで連続で利用できるため、外出予定に合わせて調整できる点が嬉しいですね。

訪問介護・訪問看護

訪問介護は要介護、訪問看護は要支援・要介護の方が利用できる介護保険サービスです。

介護保険を使うと1割負担で利用可能なサービスであり、基本料金は下記のとおりです。

身体介護20分未満163円
20分以上244円
30分以上1時間未満387円
1時間567円

訪問看護の1割負担における基本利用料は、下記になります。

指定訪問看護ステーション30分未満470円
30分以上1時間未満821円
1時間以上1時間30分未満1,125円

基本料金に加えて、事業所ごとに加算料金がかかります。

訪問時間中に家族は外出できるため、短時間で済む買い物や用事を済ませられるでしょう。

参考記事:介護報酬の算定構造(厚生労働省)

小規模多機能型居宅介護(小多機)

小規模多機能型居宅介護は、デイサービス(通い)・訪問介護・ショートステイ(泊まり)の3種類を組み合わせて利用できる介護保険サービスです。

利用できる方は、要支援1・2要介護1~5の方です。

利用料金は月額で決められた費用と泊まりの利用回数に応じて加算されます。

泊まりの費用は食費+部屋料金で1泊約3,000〜5,000円が目安です。

月額で決められた基本費用は厚生労働省で定められており、1割負担の方が支払う場合は下記のとおりです。

要介護度月額基本料金
要支援13,450円
要支援26,972円
要介護110,458円
要介護215,370円
要介護322,359円
要介護424,677円
要介護527,209円

上記の費用にくわえて施設ごとの加算体制料金があります。

月額料金を支払っていると、デイサービスや訪問介護を必要なときに利用できます。

外出したい日程に合わせて相談すると、柔軟に対応してもらえるでしょう。

しかし、小規模多機能型居宅介護はデイサービスの定員が18人以下、泊まりの定員は9人以下と決まっているため、日程によっては利用できない可能性がある点に注意してください。

また、ケアマネジャーは小規模多機能型居宅介護のスタッフになり、他のデイサービス・ショートステイ・訪問介護が利用できなくなります。

参考記事:介護報酬の算定構造(厚生労働省)

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)

看護小規模多機能型居宅介護は、先ほど解説した「小規模多機能型居宅介護」に訪問看護が追加されたものです。

同じ事業所で訪問看護も受けられるため、医療的ケアを必要とする方にとって嬉しいサービスといえます。

小規模多機能型居宅介護と違い、要支援1・2の方は利用できません。

看護小規模多機能型居宅介護で1割負担の方の月額費用は、以下のとおりです。

要介護度月額基本料金
要支援13,450円
要支援26,972円
要介護112,447円
要介護217,415円
要介護324,481円
要介護427,766円
要介護531,408円

参考記事:看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)(厚生労働省)

外出支援サービス

外出支援サービスは、病院付き添いやデイサービスの送り迎えに対応してもらえるサービスです。

デイサービスの送り出しは訪問介護でも対応できますが、病院の付き添いは自費の外出支援サービスを利用するケースが多くあります。

在宅介護をしている方は、家族の病院に付き添うと長時間待たされるケースがあり疲れてしまいます。

厚生労働省が令和5年に実施した調査によると、病院で受診した際に診察までの待ち時間のうち約2割が1時間以上待っていると報告されているのです。

長時間待った後に帰宅することも考えると、病院付き添いは1日がかりです。

外出支援サービスを使うと、病院の付き添いから帰宅まで任せられるため、その間に外出することも可能です。

買い物代行サービス

買い物代行サービスは、注文した物を配達してもらえるサービスです。

在宅介護は介護度が高かったり、認知症で目が離せなかったりすると、買い物に行く時間も取れません。

買い物のために外出ができないときは買い物代行サービスを活用して、買い物の負担を減らしましょう。

最近はネットスーパーや近所のスーパーが注文料金によって配達してもらえるなど、在宅介護で時間が取れなくても買い物できる環境が整っています。

近所で配達してくれるスーパーがないか探してみてくださいね。

在宅介護で外出したいときの相談先

在宅介護で外出したいときの主な相談先には下記があります。

  • ケアマネジャー
  • 老人ホーム紹介サービス

利用条件に当てはまるのか、利用できる回数なども教えてもらえるため「どのサービスを利用したらよいのかわからない」と迷ったときは相談してみてください。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、介護保険サービスを利用する際のケアプランを作成しています。

訪問看護や訪問介護の回数を増やしたいと思っても、家族の判断ではできません。

回数を増やしたいときには、ケアプランの変更が必要なため、ケアマネジャーへの相談が必要です。

在宅介護で外出できないと感じるときは、サービス利用や回数の変更を検討してもらうためにケアマネジャーに相談しましょう。

ケアプランの変更で対応できない場合は、自費で利用できるサービスを教えてもらえるかもしれません。

老人ホーム紹介サービス

在宅介護で外出できないときは、老人ホーム紹介サービスへの相談もおすすめです。

ケアマネジャーに相談しても、担当人数が多いとすぐに対応してもらえないケースもあるのです。

外出できない日が続くと、介護する方は負担が多くなり限界を迎えるリスクがあります。

老人ホーム紹介サービスでは、先ほど解説した小規模多機能型居宅介護や老人ホームを紹介してもらえます。

サービスを利用しても必ず施設への入居する必要はないため「現状をどうにかしたい」といった相談でも利用してくださいね。

あんしるは、北海道内の老人ホームの無料紹介や介護に関する相談も受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。

介護疲れで限界のときに見られる主な症状3つ

介護疲れで限界のときに見られる主な症状は、以下の3つです。

  • 夜に眠れない
  • 頭痛や肩・腰の痛みがある
  • 自分の時間が取れずイライラする

上記の症状がある場合は、体が疲れを示しているサインの可能性が高いのです。それぞれ症状を見ていきましょう。

夜に眠れない

在宅介護で外出できないときは疲労が溜まり、ストレスが増加している可能性があります。

ストレスの増加は、ストレスをコントロールするコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌が増加します。

長期的にストレスがかかると、不眠やうつ病など精神的な疾患を発症するリスクがあるのです。

夜に眠れないときは、睡眠の質の低下を招き、体調不良をきたすリスクがあるため気をつけましょう。

頭痛や肩・腰の痛みがある

頭痛や肩・腰の痛みがあるときは、介護による疲れのサインです。

在宅介護は、体位変換や排泄介助をおこないます。

慣れない介護を日々おこなう中で、体にダメージが溜まり、肩・腰の痛みが出てくるのです。

また、先ほど解説したストレスは交感神経が優位になり、血行が悪くなったり、介護するときの姿勢が悪くなったりして、頭痛や腰痛を起こしやすくなります。

頭痛や腰痛が出てきたときは介護疲れによるサインのため、休息する時間を作りましょう。

自分の時間が取れずイライラする

在宅介護は介護が生活の中心になり、自分の時間が取れなくなります。

自分の時間が取れなくなると、リラックスできる時間が少なく、イライラしてしまうかもしれません。

厚生労働省によると、介護度が上がるほど自宅での介護時間が増加傾向にあるのです。

要介護度ほとんど終日半日程度2~3時間程度必要なときに手を貸す程度
要支援13.1%4.1%3.2%65.6%
要支援23.7%1.7%8.7%63.7%
要介護111.8%8.9%12.4%55.3%
要介護217.0%12.3%16.4%45.0%
要介護331.9%21.9%11.5%26.0%
要介護441.2%20.0%9.4%17.4%
要介護563.1%17.2%9.1%2.5%

介護時間が増えてきたときは、今回紹介したサービスを利用したり、ケアマネジャーに相談したりして、自分の時間が取れないか検討してみましょう。

参考記事:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

介護疲れを調べるチェックリスト

先ほど解説した3つ以外にも介護疲れの症状はさまざまです。

在宅介護をされている方は、自分の疲労に気付かない可能性があります。

下記のチェックリストで各項目を「当てはまる」「まあまあ当てはまる」「どちらでもない」「まあ当てはまらない」「当てはまらない」の5段階で評価してみてください。

1.介護を受けている方の行動に対し、困ってしまうことがありますか
2.介護を受けている方のそばにいると、腹が立つことがありますか
3.介護があるので、家族や友人と付き合いづらくなっていると思いますか
4.介護を受けている方のそばにいると、気が休まらないことがありますか
5.介護があるので、自分の社会参加の機会が減ったと思いますか
6.介護を受けている方が家にいるので、友人を自宅に呼びたくても呼べないと思ったことがありますか
7.介護を誰かに任せてしまいたいと思うことがありますか
8.介護を受けている方に対して、どうしていいかわからないと思うことがありますか

チェックリストの点数が高いほど、介護疲れの可能性が高くなっています。

アメリカのザリットが開発したチェックリストであり、40点に近いほど疲労が多いのです。

点数が高い場合は、老人ホームへの入居も検討する時期かもしれません。

介護の悩みがあるときは、周囲の方やあんしるにご相談ください。

参考記事:認知症の人の介護に対する効果的な支援の実施に関する調査研究事業 報告書(厚生労働省)

まとめ|在宅介護で外出できないときはサービスを利用して時間を作ろう

在宅介護で外出できない日々が続くと、疲れやストレスが溜まります。

外出できないときは、この記事で紹介したサービスを利用してみてください。

あなたの時間が作れると、今後も自宅で介護を続けるモチベーションの維持になります。

しかし、介護は無理して続ける必要はありません。

今つらいと感じているときは、周囲の方に相談してみてください。

話す相手が思い浮かばなければ、あんしるへの相談も選択肢の一つです。

あんしるは北海道内の老人ホームを無料で紹介しています。介護に関する相談のみでも受け付けているので、お気軽にご相談ください。