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「今後介護が必要だけど在宅と施設どっちがいいの?」
「在宅介護と施設介護の違いを知りたい」
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
在宅・施設介護のどちらがいいのかは、介護が必要になったときに、介護される方の要介護度や認知症によって異なります。
要介護度が高い、もしくは認知症の方の場合は、自宅での介護を選ぶと、ご家族の負担になる可能性があるからです。
この記事では、在宅介護と施設介護の違いについて解説します。また、それぞれのメリット
デメリットについてもお伝えするので、読んでみてください。
在宅介護と施設介護の違いは、介護される方がサービスを受けて生活する場所です。
在宅介護 | 施設介護 | |
---|---|---|
生活する場所 | 在宅介護は、デイサービスや訪問介護などを利用して、自宅で生活します。 | 施設介護は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに入居して過ごします。 |
2021年に行われた調査によると、介護を実施している場所が自宅の方は、40.2%と報告されています。前回の調査時よりも減少していますが、自宅で介護を行いたいと考える方は多いのです。
また、3年以内に在宅で介護を行った経験がある方は、56.8%と約半数が経験しています。在宅介護の診療報酬が見直されるなど、国が生活の場を病院から自宅へと考えているため、今後も在宅介護をする方は増えていくでしょう。
在宅介護と施設介護で受けられる主なサービスは、表の通りです。
在宅介護 | 施設介護 | |
---|---|---|
受けられるサービス | ・デイサービス ・ショートステイ ・グループホーム ・小規模多機能型居宅介護 ・訪問入浴 ・訪問介護 | ・特別養護老人ホーム ・介護老人保健施設 ・介護療養型施設 ・介護医療院 |
在宅介護は、要支援から受けられるサービスです。在宅介護には、通常のサービスと異なり、地域密着型サービスもあります。地域密着型サービスの場合は、介護を提供する施設の市町村に居住している必要があるため、注意してください。
施設介護は、要介護1~5の方のみが利用可能です。また、特別養護老人ホームについては、基本的に要介護3以上の方が対象になるため気をつけましょう。
在宅介護のメリット
在宅介護のメリットは、二つあります。
一つずつ解説します。
在宅介護は、自宅で介護をする方がほとんどです。今まで過ごしてきた場所で生活できるため、安心して暮らせるでしょう。
施設の場合は慣れていない場所のため、トイレの位置や部屋の位置が分からず、本人が自信をなくしたり、不安や家に帰りたいと感じたりするかもしれません。
住み慣れた場所で生活できると、病院や施設にいたときよりも、活気のある生活が可能となるでしょう。
在宅で介護している場合は、家族と本人が予定を合わせると外出可能です。何らかの疾患を抱えていても、旅行に行きたい、良い景色を見に行きたいなどの希望があります。
施設の場合は、決められた時間のみしか外出できません。また、家族が同席していない場合は、好きな時間には外出できません。職員がいなければ外出できないため、外出の頻度は自宅に比べると下がるでしょう。
生活の自由度を高めて過ごしたい希望がある方は、在宅介護が向いているでしょう。
在宅介護のデメリットは、以下の通りです。
それぞれ見ていきましょう。
在宅介護は、要介護度によって変わりますが、家族の負担があります。要支援の方であれば、負担に感じることは少ないでしょう。
しかし、要介護度が高くなると日常生活において家族の介入が必要になることが多く、負担が大きくなるのです。
たとえば、入浴やトイレ、食事で常に介助が必要な場合、サービスを受けない日は、介護される方と一緒に介護する方も自宅で過ごさなければいけません。
介護する方が仕事をしている場合、介護のために出勤日数を調整したり、ときには休んだりする必要があります。仕事に支障をきたすと、収入が減少し生活が厳しくなる可能性があるでしょう。
ある調査によると、要介護度が高くなると施設介護を利用する割合が高くなります。介護度が高くなると、一日をベッドで過ごす方の割合が高くなり、家族の負担が大きくなってしまうためです。
在宅介護を行う家族の方は、介護のスキルがない場合がほとんどです。手引き歩行のトイレ誘導のみであったり、食事を作ったりする場合は、介護スキルが不要でしょう。
しかし、食事の介助や痰の吸引、体位交換が必要な場合は、技術を学ばずに実践すると、腰痛や疲労が溜まってしまう可能性があります。
もちろん、自宅で介護をする前に病院や施設で指導を受けられますが、日常的に実践すると大変に感じるでしょう。
もし、介護される方が認知症を患っている場合は、徘徊や火事などの事故を起こすリスクがあります。
認知症の程度によってリスクは増減しますが、火の不始末をしてしまう可能性がある場合は、自宅に一人で過ごすと危険性が高いことを理解しておきましょう。
施設介護のメリットは、下記の3つがあります。
一つずつ解説します。
施設介護は24時間介護のプロがいるため、安心して介護される方を任せられるでしょう。
自宅で生活してほしいと考えていても、介護をする方が忙しかったり、介護が負担になったりする場合は、施設介護を選んで問題ありません。
施設のスタッフは、介護のプロです。要介護度が高くなると、1日をベッド上で生活しており、腕や足が曲がった状態で固まる拘縮状態の方も少なくありません。
拘縮の方は、更衣やおむつ交換の際に、力を加えすぎると骨折するリスクがあります。ご家族が介護する場合は、不安を抱えながらの対応になるでしょう。
プロに任せられると、拘縮のある方のおむつ交換や更衣に慣れているため、骨折やケガのリスクを軽減可能です。
施設介護を利用すると、日中はもちろん、夜間も定期的に巡回してもらえるため、緊急時にも対応してもらえます。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は夜間に看護師が常時勤務していないケースもあり、病院のような医療的対応はできませんが、事前に希望していれば、緊急時に救急搬送も可能です。
もし、自宅で一人の時間や夜間に体調が悪化した場合は、介護をする方がパニックになり、どうしたら良いかわからないと悩んでしまうかもしれません。
施設介護のデメリットは、以下の二つです。
それぞれ解説します。
施設介護は在宅介護と比較して、費用がかかります。
生命保険文化センターの調査によると、在宅介護にかかる費用は平均4.8万円、施設介護は12.2万円と報告されています。
また、介護にかかる月々の費用は在宅介護の約50%が7.5万円未満、施設介護の場合は約60%の方が10万円以上かかっています。さらに、施設介護は30%の方が、月々の15万円以上払っているのです。
本人の年金や貯金で払えない場合は、家族の負担となってしまうでしょう。施設介護の費用が負担できない場合は、自宅で介護したり、本人が生活保護を受給する必要があるでしょう。
上記で解説したように施設介護では費用がかかります。家族が通える範囲の施設を考えていても、費用が高い場合は、遠方の施設を選ぶしかありません。
遠方の施設になると、面会するための時間が作れず、家族との関係性が薄くなってしまう可能性があります。施設に入居したときは、必ず面会を一週間に一回すると考えていても、施設までの距離が遠いと負担になるため、自然と面会の回数は減る可能性が高いです。
本人との関係性を維持したい方は、費用面も考慮しながら、自宅から近い施設や自宅で介護をする方が良いでしょう。
今回は、在宅介護と施設介護の違いについて解説しました。
在宅介護と施設介護の主な違いは、サービスを受けて生活する場所です。
在宅介護は、要介護度が要支援や要介護1~2であれば、家族の負担となる可能性が少ないです。しかし、要介護度が高い場合、在宅で介護をすると、ご家族の負担となる可能性が高いため、施設介護の方が良いでしょう。
在宅介護と施設介護を選ぶ際は、本人の要介護度や認知症の有無、ご家族の介護体制など家庭によって状況が異なります。それぞれのメリット・デメリットは、以下の通りです。
※ 横にスクロールできます。
介護の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
在宅介護 | ・住み慣れた家での生活 ・生活の自由度は高い(時間や外出) | ・家族への負担が大きい ・介護のスキルがない ・認知症の徘徊で近隣への迷惑(事故の可能性も高い) |
施設介護 | ・常に介護のプロがいる ・プロに任せるので家族も安心 ・緊急の対応もできる | ・費用面の負担がある ・遠方施設だと家族との関係性が薄くなる |
介護される方の希望や家族の介護体制の把握、在宅・施設介護のメリット・デメリットを理解して、無理のない選択をしましょう。