あんしる特別インタビュー全文(めもるVol.10号)

自己紹介をお願いします。

藤谷秀明です。今年四十七になります。出身は小樽で生まれて、ずっと小樽で社会人までやって、そのあと札幌に行って、仕事の関係で旭川に赴任して、そこに根を下ろしてたんですが、今回はちょっとした縁があって、単身で札幌に戻ってきました。

ワンウォークに入社したきっかけを教えてください。

僕は高校出てからすぐ働いてるんですけど、ずっと介護の世界で働いてきて、働きながら資格取得とかもしてきたんですよね。そういった段階で色々な介護の現場の経験をしていくうちに、皆さんそうかもしれないんですけど、経験積んでいくと、徐々に上の仕事を任されるような状況になってきて、直近の前の会社ではある程度、エリア管理も仕事も任されるような立場までにはなったんですよね。でも、結局会社自体が大きくなってくると、もう身動きが取れなくなってきました。
僕は結構、現場が好きだったので、新人研修とかもやってたし、そのリーダーたちの研修もやってました。だけど会社が大きいとその分、小回りが利かないな、融通が利かないなというのを感じて、転職を考えたんです。その中でたまたま、ワンウォークの木村社長をご紹介いただいて、ワンウォークへ入社となりました。

「あんしる」の名前の由来や意味を教えてください。

「あんしる」はもう僕が入社した時はもう「あんしる」に決まってました。(笑)
ただ、「あんしる」って『安心のみちしるべ』なんですよ。安心の「安」っていうのを英語に直したときに「安定」「ただ一つの」という意味もあるんです。ようは唯一なので『唯一の安心が道しるべ』が語源というか、名前のきっかけだったと思います。

藤谷さんが考える「あんしる」の強みを教えてください。

やっぱり『無料相談』でしょうか。無料で相談ができて、無料でその施設見学に行くことができて、お客様にとっては入居を決めるまで色々と無料でしてもらえるというのは、メリットの一つだと思います。
今、僕たちのような施設の紹介会社ってすごい数あるんですよね。そんな多くのライバルがいる中で、あんしるの強みというか私自身がもう約25年間介護の世界でやってきて、知識と経験があるっていうこと。それはもう在宅介護のこともそうですし、介護施設でもそうです。資格では『介護支援専門員(ケアマネジャー)』という資格も持っているので、そういった部分で一般的にある紹介会社よりは精通してるっていうメリットがあると思っています。なので、他の施設紹介業者の営業マンに相談するよりは、より中身を知っている相談を対応することができます。

あんしるサービス対応エリアを教えてください。

将来的には全道をカバーするつもりでいますけど、今の人員配置では、札幌とその近郊、千歳まで行けるかな、という感じです。小樽・江別・石狩・北広・恵庭ぐらいですね。札幌近郊の方はまずはご相談の連絡をいただければと思います。

あんしるとして、介護施設紹介の仲介業者が必要な理由はどういったところで感じますか?

介護施設って、札幌市だけでも1300所ぐらいあるんですよね。それをお客様自身で、気になる施設情報を集めようとすると、まずはホームページで探すという流れになる。でも色々ホームページ見てても、もう2020年くらいから更新されてないホームページとかもいっぱいありますよね。そういった情報が古い・運営されていない施設もあったりする。それだけの施設の中から、自分が入りたいと思う施設を探せるのかっていうと、お客様ご自身だけじゃなくご家族さんも、忙しい日常生活の中で実際に仕事をしながら、その1300の中から探して、行ってみて、見て決める。その大変さがあるとすると、我々紹介会社を使ってもらうことで「この地域でこれぐらいの値段で、こういうところに入りたいと思ってる」という言葉だけで、まず探してもらえます。そこから、見学の予約を取ってもらって、送迎ができるので見に行くことができる。見学した施設が良いのか悪い施設なのかも、ある程度の助言ができます。全てが良い施設というのはないと思いますが、やっぱり経験上「ここの日当たり良くないよね」とかっていうのも、伝えることができる。
そういう部分では、使うメリットはかなりあるんじゃないかなと思います。

介護施設を探しているお客様が望まれる条件はありますか?

やはりお金ですね。今のご時世、お金持ちか、所得が少ない貧困層かみたいなところがあって、中間層が少ないというイメージがあります。お客様からは「とにかくこの値段で、この年金額で入れるところ」という要望が一番多いかな。あとは施設が綺麗なところ、とかね。出かけたい時に自由に出かけられるなどもよく聞く条件ですが、やっぱりお金なんだなと感じます。

介護施設を見学をする時には、どういう部分を見ることが多いですか?

設備とか部屋の広さ、あと窓の向きとか気にされる方が多いですね。施設の目の前がすぐ道路なのかとか、家が建ってるのかというのを気にされる方もいます。これは北海道ならではだと思いますけど、部屋は寒かったりするのかとか、あと最近ではクーラーがついてるついてないっていうのも見られます。

お客様に介護施設を紹介する時の難しさなどはありますか?

ありますね。
例えば、自分のおばあちゃんとかおじいちゃんとかが「介護してほしい」って介護相談をして「介護必要だね」ってなったとします。そして、「あんしる」などに連絡して施設見学などに連れ行ってもらったとします。見学して「ここの施設がいいよ」とか言ってもらってすぐに入れるかというと、入れないんですよね。入りたいという希望があったとしても、その受け入れる側=施設にも『入居判定会議』というのがあるので、当人がここの施設で生活できるかどうかというのを見られます。履歴書的なのを見られる訳ですけど、いわゆる『ADL表』とか『身体状況』を書いてるものです。『ADL』って『日常生活動作』と言うんだけど、健康調査票みたいなものですね。ちゃんと歩けますか?とか寝返りを打てますか?とか事前に書かなきゃいけない。それは、介護保険を受けていらっしゃる方は、ほぼ持っています。『認定調査』というのもあって、動けるか動けないか、認知症か認知症じゃないかという調査があります。
介護保険は基本的に、40歳からじゃないと使えないんですよ。40歳で介護保険料を納めるようになって、初めて使えるんです。40歳になると介護を受ける可能性が出てくるという認識になってくるので、40歳からみんな介護保険料が引かれるんです。40歳で社会保険に加入していて、国が定める16疾病特定疾病っていうのがあるんですけど『末期癌』とか『ALS』とか『若年性の認知症』などの16項目があって、それにかかってる人は介護保険を使うことができます。
国の決まりというか考え方としては、65歳になると必然的にもう高齢者なので、誕生日になったらピンク色の保険証が送られてきます。それは介護保険を受ける権利がありますよっていうものなので、あなたが介護を受けなきゃならない体がどうかの調査をさせてくださいというシステムがあります。それが『認定調査』です。
それも自分で申し込むというか申請します。自治体に40歳になった時はピンクの送られてくるわけじゃなくて、自分が申請しに行けばピンクになることもできます。施設には、それがなきゃまず入居ができないなので、簡単なところで言うと「認知症で他の人に危害を加える」という事がそのADL表とかに書かれてたら、「他の人もいっぱい入ってるから無理です」って断られるパターンはあります。もちろん受け入れてくれるところもちゃんとあります。でも、やっぱ少ないです。
そこはもう施設介護の質なので「この状態でもうちの介護力だったら見れますよ」って言ってもらえたりすることもあります。あとは、食事の好き嫌いとかのワガママを聞いてくれたりとか(笑) 

「あんしる」が思う、介護業界での課題点はなんだと思いますか?

まずは今の時代、働き手がいないという部分ですね。
介護業界っていうのは本当に人がいないんですよ。そして現状の介護スタッフ自体が高齢化してるので、今の全産業の平均生産年齢人口の平均年齢って34歳ぐらいなんだけど、介護になると40歳を超えてて、じゃあ40歳超えるってどういうことかというと、平均値って真ん中だから毎年20歳ぐらいの新卒が入ったときに、必ず同じ数の60歳ぐらいがいなきゃダメなんですよね。それで初めて平均年齢って40代になるんです。ということは、60歳で介護をしている人たちがいっぱいいる。
つまり、世間で子供も親も高齢者だから「老々介護」っていう状況になってるけど、働いてる現場でも「老々介護状態」が起きてしまっているというところがあります。

次にやっぱり給与面ですね。一昔前よりはだいぶ良くはなってきましたけど、国もいろいろ手を打ってるんですけど、それでもまだまだ少ないですよね。
また、働き手が少ないから、外国人労働者を介護業界にっていうのもありましたけど、それもコロナもあったりとか今の円安があったりとかで、やっぱりできないから人が少ないっていう状況があるのが、今の現実かなと思います。

今後の「あんしる」としての展望や野望はありますか?

エンディングサポートととして『終活』という部分で、あんしるは架け橋であり開口部でありたいと思ってます。例えば、あんしるで施設を紹介して、施設に入ったお客様がもともと住んでいた家の売却管理や整理をNEXTliteに繋げて、賃貸に住んでた場合には家財道具の整理へ繋げるという、まずはグループ企業同士の架け橋になるべきだと考えています。その延長で『身元保証』っていうのは切り離せない部分があって、施設や病院に入る時には全て保証人が必要になってきます。ですので、そこでも『あんしるLIFE』とマッチングができるというのは、架け橋の役目を担っていると思います。
また、お客様が入った先の施設は、ほとんどの場合、人の最期『死』を迎える場所になります。その施設と繋がっているという部分で考えると、あんしるは中間の立場であり、それぞれの架け橋として、生活の最後の部分を繋げられるところになるのが、安心=あんしるの最終目標だろうなという風に思っています。
あとは、宣伝媒体としてSNSを活用したいですね。Instagram・Twitterで、次世代の介護される側/介護する側への発信をしていけたらいいと思っています。