老人ホームを検討するタイミングはいつ?施設を探すときの相談先や入居までの流れも解説

「老人ホームを検討するタイミングがいつか教えてほしい」「もし検討するときはどこに相談したらいいの?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

老人ホームを検討するタイミングは、自宅での生活が難しくなったり、介護する方が負担に感じたりするなどさまざまです。

主な相談先は、地域包括支援センターやケアマネジャー、施設紹介サービスなどです。

この記事では、老人ホームを検討するタイミングや相談先について解説します。

また、施設を検討するときの注意点や入居にかかる費用もお伝えします。

老人ホームを検討するべきか悩んでいる方は参考にしてください。

老人ホームを検討するタイミング

老人ホームを検討する主なタイミングは、以下のとおりです。

  • 介護と仕事を並行してできなくなった
  • 家族が遠方で暮らしておりサポートを受けられない
  • 病気や入院により自宅での生活が困難になった
  • 認知症を発症して一人での生活が難しくなった
  • パートナー(夫・妻)が亡くなり一人暮らしになった
  • 最近家や外で怪我・軽い体調不良が長引くことが増えた
  • 一人暮らしで家事や雪かきが大変になった

それぞれ見ていきましょう。

介護と仕事を並行してできなくなった

介護と仕事を並行している方が、介護を負担と思い始めたときは、老人ホームを検討するタイミングです。

介護される方の介護度が低く、日常的に介護量が少なければ、仕事と並行して介護はできます。

しかし、高齢になり介護量が増加すると、介護の時間が多くなり仕事に支障をきたしてしまうのです。

2023年におこなわれた調査によると、介護を理由に離職する方は1年間に約7万人と報告されており、20年で約2倍に増加しています。

仕事を続けたいと考えている方は、介護を負担に感じたら老人ホームを検討してみましょう。

参考記事:介護離職者はどれくらい? 介護離職をしないための支援制度は? (公益財団法人 生命保険文化センター)

家族が遠方で暮らしておりサポートを受けられない

介護が必要になるかもしれない家族がいても、主にサポートする方が遠方に住んでいる場合は、介護できません。

事前に老後について話し合った結果、老人ホームを検討するケースは少なくありません。

厚生労働省の調査によると、別居の家族が介護しているケースは、2022年は11.8%と報告されています。

2019年は13.6%であり、以前よりも別居の家族が介護するケースは減少しているのです。

主に介護する方が遠方に住んでおり、サポートを受けられない場合は、事前に老人ホームへ入居するのか話し合っておきましょう。

参考記事:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

病気や入院により自宅での生活が困難になった

高齢の方は、病気や入院により、自宅での生活が困難になるケースがあります。

今まで元気に自宅で過ごしていた方でも、肺炎になったり、心筋梗塞などを起こしたりすると、一定期間は寝たきりの生活になってしまいます。

寝たきりの入院生活を送った結果、認知機能が低下して一人での生活が難しくなってしまうのです。

入院や病気により、自宅での生活が困難になった場合は、老人ホームを検討するタイミングといえるでしょう。

認知症を発症して一人での生活が難しくなった

認知症を発症して、一人での生活が難しい場合も、老人ホームを検討するタイミングの一つです。

認知症は初期であれば、日常生活に大きな支障はないかもしれません。

しかし、進行すると、火の不始末で家事になったり、近隣住民とトラブルになったりするのです。

65歳以上の単独世帯は、約3割と報告されています。家族が関わる機会が少ないと、知らないうちに認知症を発症しているケースも少なくありません。

単身で家族が住んでいる場合は、定期的に連絡を取り、認知症予防や早期発見ができるよう心がけましょう。

参考記事:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

パートナー(夫・妻)が亡くなり一人暮らしになった

厚生労働省によると、要介護者のいる夫婦のみの世帯は25%と報告されています。

介護者であるパートナーが亡くなると、自宅での生活が難しくなるため、老人ホームを検討するタイミングです。

当社への相談でも、パートナーが亡くなったために老人ホームを検討したいと問い合わせが増えています。

参考記事:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

最近家や外で怪我・軽い体調不良が長引くことが増えた

高齢になると転倒が増えたり、風邪・コロナなどにかかり治癒した後も咳が続いたり、体のどこかに痛みがあったりします。

転倒が増えると骨折のリスクが高くなります。軽い体調不良が長引いて症状が悪化しても、一人暮らしではすぐに見つけてもらえません。

もしものときに対応してもらえるように、定期的に見回りのある老人ホームを検討するタイミングといえます。

一人暮らしで家事や雪かきが大変になった

一人暮らしでは、日々の家事や冬の雪かきが大変になり老人ホームを検討する方がいます。

特に東北地方や北海道では、積雪量が多く、自宅周囲や屋根の雪かきを1日に何度もしなければいけません。

積雪により、杖や歩行器、シルバーカーが普段よりも使いにくくなります。また、地面は滑りやすく、段差も増えるため、転倒リスクが増加してしまいます。

高齢の方にとって積雪は負担となるため、身の回りをサポートしてもらえる老人ホームに入居するケースが増えているのです。

老人ホームを検討しているときの相談先

老人ホームを検討しているときの相談先には、下記があります。

  • 地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所
  • ケアマネジャー
  • ソーシャルワーカー
  • 施設紹介サービス

一つずつ解説するので、あなたに合う相談先を選びましょう。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者の悩みを相談できる場所です。お住まいの市区町村の窓口で、無料相談ができます。

老人ホーム以外にも、日々の生活における悩みも相談可能であり、解決策を提案してもらえるため、気軽に利用できるでしょう。

居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所は、要支援や要介護の認定を受けた方が訪問介護や訪問看護などの居宅サービスを受ける際に利用する場所です。

もし日々の生活で不安を感じるようになったら、担当のケアマネジャーが在籍している居宅介護支援事業所に相談してみましょう。

ケアマネジャーが在籍しているため、利用できるサービスや費用などを説明してもらえます。

ケアマネジャー

要支援や要介護認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーがいます。

居宅介護支援事業所でもケアマネジャーに相談可能ですが、連絡したときには在籍していない可能性があります。

ケアマネジャーは月に1回の定期訪問があるため、老人ホームを検討していることを相談すると、今の介護度やADLの状況に合う施設を探してもらえるでしょう。

しかし、ケアマネジャーは、一人ひとり知識量や担当している人数が違うため、相談してもすぐに動いてもらえるかはその方次第な点には注意してください。

ソーシャルワーカー

病院に入院している場合は、院内にソーシャルワーカーが在籍しています。

ソーシャルワーカーに「今後は自宅退院ではなく老人ホームを考えている」と相談すると、今後の退院先候補や、サービスを利用するための手続きについて教えてもらえます。

施設紹介サービス

施設紹介サービスは、希望条件に合わせて老人ホームを紹介してもらえるサービスです。

施設の紹介から見学日程の調整、入居申し込みのサポートまで一貫して受けられるため、初めて老人ホームを探す方におすすめの相談先です。

老人ホームを検討する段階で相談すると、今の状況で利用できる施設を提案してもらえます。

あんしるでは、無料で札幌市を中心に北海道にある施設紹介サービスをおこなっています。

老人ホームの入居に伴い、実家が空き家になるため売却するか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

当社は、老人ホームについての疑問と合わせて、不動産に関する悩みも解決できるため、お気軽にご相談ください。

老人ホームに入居した方の家を売却する流れについては、下記の記事で解説しているので参考にしてください。

老人ホームを検討するときに候補となる施設

老人ホームを検討するときに、候補となる施設は以下のとおりです。

施設の種類主な対象者特徴
特別養護老人ホーム(特養)原則要介護3以上公的な施設で費用が安い
グループホーム認知症かつ要支援2、要介護1以上認知症ケアに特化した施設
有料老人ホーム要介護認定なし~要介護5設備やサービスが整っている
サービス付き高齢者向け住宅要介護認定なし~要介護5施設と比べて自由に生活できる場所が多い
介護医療院要介護1以上で痰の吸引など医療的なケアが必要看護師が常駐しており医療的なケアを受けられる

それぞれ特徴があり、要介護認定を受けていなくても入居できる施設もあります。介護される方に合う老人ホームを選びましょう。

どの施設が合うかわからない方は、ケアマネジャーや施設紹介サービスに相談してみてください。

それぞれの老人ホームについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

老人ホームに入居するためにかかる費用

老人ホームに入居するための費用は、以下のとおりです。

施設の種類入居金月額費用
特別養護老人ホーム(特養)0円約9~13万円
グループホーム0~約16万円約8~15万円
有料老人ホーム0円~数千万円約20~30万円
サービス付き高齢者向け住宅0~約100万円約20~30万円
介護医療院0円約8~15万円

老人ホームの月額費用は、居住費・食費、光熱費、共益費などがあります。目安料金は、以下のとおりです。

施設の種類居住費食費光熱費共益費介護サービス利用料
特別養護老人ホーム(特養)2.6万円~6.1万円4.4万円居住費に含む居住費に含む約2~3万円
グループホーム約2~7万円約2~6万円居住費に含む約1~2万円約2万円
有料老人ホーム約1~10万円約3~6万円約2~3万円約1~21万円約5,000円~2.4万円
サービス付き高齢者向け住宅約4~11万円約4~6万円約4~6万円約1~4万円約1~4万円
介護医療院1.1万円~6.1万円4.4万円居住費に含む居住費に含む約2~4万円

表のとおり、施設によって月額費用に幅があります。

老人ホームを検討するときは、支払える予算を決めてから探しましょう。

参考記事:サービスにかかる利用料 (厚生労働省)

どんなサービスがあるの? – 特定施設入居者生活介護(厚生労働省)

どんなサービスがあるの?-介護医療院(厚生労働省)

老人ホームの検討から入居までの流れ

この章では、あんしるを利用したときの老人ホーム検討から入居までの流れを解説します。

大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. 家族で相談し方針を決める
  2. あんしるへお問い合わせ
  3. 老人ホームに求める条件や費用のすり合わせをおこなう
  4. 条件に近い老人ホームの提案を受ける
  5. 希望に合う施設を見学する
  6. 施設の職員から入居前に面談を受ける
  7. 老人ホームへ入居する

家族と相談した結果、老人ホームを探す方針になった場合は、施設紹介サービスやケアマネジャーに連絡しましょう。

施設紹介サービスを利用した場合、老人ホームに求める条件や月額費用などをヒアリングされます。

ヒアリングの内容をもとに、条件に合う老人ホームを紹介してもらい、施設を見学します。

見学した施設で入居の方針となったら、申し込みをおこないましょう。

施設選定から見学の日程調整、各老人ホームのよい点・悪い点、気になることを質問できる点が施設紹介サービスを利用するメリットです。

老人ホームを検討するときの注意点

老人ホームを検討するときの注意点は、以下のとおりです。

  • 親が施設を嫌がる可能性がある
  • 入居金が多くかかる老人ホームもある
  • 親を施設に入れてから罪悪感があったり後悔したりするケースがある

それぞれ解説します。

親が施設を嫌がる可能性がある

老人ホームへの入居を相談すると、親が嫌がる可能性があります。

今まで生活してきた自宅で、今後も過ごしたいと考えているからです。

施設を嫌がる場合は、老人ホームへ入居してほしいと伝えるのは控えましょう。

「今後安心して生活するための方法を一緒に考えたい」と提案したり、慣れてもらうために体験入居やショートステイから利用したりすると、前向きに考えてもらえるかもしれません。

入居金が多くかかる老人ホームもある

老人ホームによっては、入居金が多くかかるため注意しましょう。

入居金が多くかかる施設は、主に有料老人ホームです。

有料老人ホームは民間企業が運営している場合があり、設備が整っている場所では数千万円必要なケースもあるのです。

老人ホームを探すときは、入居金や月額費用の支払いに問題がないか確認しておきましょう。

入居金が0円の施設もあるため、お金がなくても老人ホームは見つかるため安心してください。

親を施設に入れてから罪悪感があったり後悔したりするケースがある

親が老人ホームに入居してから、「これでよかったのだろうか」と後悔する方は少なくありません。

しかし、自宅で介護を続けると、親だけでなくあなたも共倒れになってしまうリスクがあるのです。

後悔している方は、定期的に面会へ行ったり、余裕があるときには外泊してもらったりと、距離感を保ちながら関わるようにしましょう。

少ない時間でも関わりがあると、家族と良好な関係を保てるでしょう。

老人ホームを検討するべきか悩んだらまずは相談しよう

今回は、老人ホームを検討するタイミングについて解説しました。

検討する時期は家庭によりさまざまです。

「老人ホームをどうしようかな」と悩んだときに相談しておくと、いざというときに焦らずに対応できます。

あんしるは、北海道の施設紹介サービスです。北海道内で老人ホームを検討している方からの相談も無料で受け付けています。

老人ホームに関する質問や悩みがあったり、実際に入居できる施設や費用を知りたいと悩んだりしたときは、お気軽にお問い合わせください。