遠距離で親の介護をおこなう方法は?疲れた・限界と感じる理由や対策も解説

「要介護に認定された親の介護を遠距離でおこなうにはどうしたらいいの?」「遠距離で親の介護を続けているけど疲れてしまった」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

要介護に認定された親の介護を遠距離でおこなうには、介護保険サービスを利用して自宅での生活を続けてもらったり、介護施設へ入居したりします。

遠距離での介護は、金銭的な負担や自分の時間を介護にかけるため、疲れる方は少なくありません。

この記事では、遠距離で親の介護をおこなうことになったときの対応を解説します。

遠距離で介護すると疲れる原因や対策についてもお伝えするため、気になる方は読んでみてください。

遠距離で親の介護をおこなう方法

遠距離で親の介護をおこなう方法は、以下のとおりです。

  • 親を近隣に呼び寄せる
  • 親の家に同居・引っ越す
  • ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
  • 介護保険サービスやインフォーマルサービスを利用しながら定期的に帰省する
  • 老人ホームに入居してもらう

それぞれ見ていきましょう。

親を近隣に呼び寄せる

遠距離で親の介護が必要になった際に、近隣に呼び寄せる方法があります。

近隣に呼び寄せると、仕事帰りに定期的に様子を見に行ったり、緊急時にすぐ駆けつけられたりするメリットがあります。

子どもは今までどおり働きながら過ごせるため、収入がなくなる、キャリアを形成できないなどのデメリットを予防可能です。

しかし、海外に住んでいる方が親を呼び寄せる場合、言語の壁や高齢者が利用できる制度が日本よりも整っていない可能性があります。

土地勘のない地域に呼び寄せたケースでは、親が実際に来てみると、その地域で過ごすことに納得しないかもしれません。

近くに呼び寄せる場合は、あなたの住んでいる国や地域で、親が過ごせるかも相談しておきましょう。

親の家に同居・引っ越す

介護するために家族が親の家に同居、もしくは近くに引っ越す方法もあります。

同居する場合、親は住み慣れた環境で生活できるため、環境の変化に戸惑うリスクがありません。

しかし、介護する方は仕事を長期的に休んだり、退職したりします。

退職するとお金が足りなくなるリスクがあるため、家族の貯金がどれくらいあるのか、年金がいくらもらえるのかなど、確認しておきましょう。

ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

遠距離で介護が必要になり、近隣に引っ越したり、呼び寄せたりできない場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

親が要介護に認定されていると、担当のケアマネジャーがいます。

担当のケアマネジャーは定期的に自宅を訪問するため、機会が合えば相談できます。

しかし、ケアマネジャーの訪問日程と都合が合わない場合は、事前に日程を相談しておくと電話での相談も可能です。

要介護認定を受けていない、要支援の方は、地域包括支援センターへ相談しましょう。

相談すると、親の状況に合わせて利用できる介護保険サービスや、国・自治体の制度を教えてもらえます。

自治体で利用できる制度は、自力で調べても見つかりにくいものもあります。

一度相談しておくと、状況に合わせて利用できる制度の知識も身につけられるでしょう。

親の介護を相談するタイミングについて、下記の記事で解説しているので、合わせて読んでみてください。

介護保険サービスやインフォーマルサービスを利用しながら定期的に帰省する

遠距離で介護が必要になったとき、介護保険サービスやインフォーマルサービスを利用する方法もあります。

さまざまなサービスを利用すると、親が自宅で生活を続けられる可能性があるのです。

たとえば、介護保険サービスでは、デイサービスや訪問看護、訪問リハビリなどがあります。

訪問看護・訪問リハビリは、自宅にいながら看護師や理学療法士のケアを受けられ、食事や排泄など日常生活動作(ADL)の機能維持に期待できるのです。

また、定期的な訪問があることで、自宅で倒れたり、体調不良になったりしたときに早期発見につながります。

インフォーマルサービスとは、地域のボランティアや民間・自治体のサービスのことです。

費用は自己負担になりますが、介護保険サービスでは対応できない病院の付き添いや食事の作り置き、宅配などをサポートしてもらえます。

親が遠距離で介護が必要になったときは、サービスを利用できるか確認してみましょう。

インフォーマルサービスについて下記の記事で解説しているので、気になる方は読んでみてください。

老人ホームに入居してもらう

自宅での生活が難しくなったときは、老人ホームに入居してもらうのも、ひとつの手段です。

親を施設に入れると考えると、罪悪感がある方もいるかもしれません。

しかし、一人での生活が難しく、家族の協力も得られないケースでは、施設への入居が安全です。

老人ホームと表現されていても、自由に外出できたり、アクティビティが豊富におこなわれていたりする施設もあります。

入居する老人ホーム次第で、親が安全かつ楽しく過ごせるケースもあるのです。

親の介護を施設に任せるメリット・デメリット、要介護認定なしで入れる施設について、下記の記事で解説しているので気になる方は合わせて読んでみてください。

北海道で老人ホームへの入居を検討している方は、あんしるへお問い合わせください。

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遠距離介護が負担・限界と感じる5つの理由

遠距離介護が負担に感じる理由には、下記があります。

  • 交通費や時間がかかる
  • 緊急時の対応が難しい
  • 仕事のキャリア形成が難しくなる
  • 金銭的な負担がかかるケースもある
  • 帰省の頻度が多くなると自分の時間が取れない

遠距離介護は金銭的・生活の負担になり、限界と感じる方が少なくありません。

負担に感じる理由をそれぞれ解説するので、参考にしてください。

交通費や時間がかかる

遠距離の介護は、親の元に通うために新幹線や飛行機、バスなどを利用します。

各交通手段を利用すると、交通費や時間がかかってしまいます。

半年に1回など少ない頻度であれば、大きな負担になる可能性は少ないです。

しかし、遠距離での介護は1~2ヵ月に1回通ったり、緊急時に駆けつけたりするため、自分の時間がなくなり、交通費もかかるでしょう。

緊急時の対応が難しい

遠距離での介護は、緊急時の対応が難しくなります。

仕事中や夜間に、親が事故にあったり、体調が悪くなったりしてもすぐに対応できません。

突然対応しなければいけないため、仕事の調整も必要になり、負担に感じるでしょう。

遠距離で介護をする際は、緊急時の対応方法を親の近くに住んでいる家族やケアマネジャーに共有したり、いざというときの対応を話し合ったりしておきましょう。

仕事のキャリア形成が難しくなる

遠距離での介護が長期的になると、仕事に支障をきたします。

早退や遅刻が多くなると、上司からの評価が下がってしまい、昇進が遅くなってしまうかもしれません。

キャリア形成・介護のどちらを取るかは、そのときにならないと判断できません。

しかし、介護が必要になったときに備えて民間サービスの利用や、施設に入るのかは事前に相談できます。

今後のために、親と話す機会を作っておきましょう。

金銭的な負担がかかるケースもある

遠距離の親の介護費用は、通常よりも金銭的な負担がかかります。

生命保険文化センターによると、介護にかかる費用は平均月額約12.2万円と報告されています。

しかし、遠距離の介護になると交通費が加わり、さらに負担がかかるでしょう。

通う頻度にもよりますが、飛行機や新幹線を利用すると往復で最低2万円はかかります。

通う頻度が多くなると金銭的負担は増加するため、「遠距離での介護がきつい」と感じるでしょう。

遠距離の介護をする方が飛行機で通う場合は、航空会社に申請すると割引を受けられます。

介護割引のある航空会社と、各社の割引率は以下のとおりです。

航空会社割引率
JAL10%割引
ANA約53%割引
ソラシドエア約49%割引
スターフライヤー約55%割引

飛行機を利用する方は、対象の路線で利用できる空港会社に申請を検討しましょう。

参考記事:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?(公益財団法人 生命保険文化センター)

介護気象割引のお客様登録のご案内(JAL)

介護割引(ANA)

介護特別割引(ソラシドエア)

介護割引運賃(スターフライヤー)

帰省の頻度が多くなると自分の時間が取れない

帰省の頻度が多くなると、自分の時間が作れなくなります。

遠距離で親の介護をおこなう場合、交通の便が悪いところでは、通うために休みが2日間必要な方もいるのではないでしょうか。

仕事と介護の板挟みになり、自分の時間が作れなくなると、ストレス解消やリラックスできる時間がありません。

板挟みの状態が続くとストレスが溜まり、精神的に参ってしまう可能性があります。

遠距離での介護が続くと体調を崩す可能性が高いため、介護保険サービスや民間サービスを利用して自分の時間を確保しましょう。

家族が遠方に住んでいて介護が必要になったときの対策

家族が遠方に住んでいて介護が必要になったときの対応策は、下記の2つです。

  • 親の意向を確認する
  • 家族で誰が対応するか相談しておく

介護が必要になったときの対策を解説するため、参考にしてください。

親の意向を確認する

遠方に住んでいる親に介護が必要になったときは、本人の意向を確認しましょう。

親自身が「住み慣れた環境で過ごしたい」と考えている場合、子どもの近隣に呼び寄せる方法は使えません。

住み慣れた環境で生活したい意向がある場合は、一人でも生活できるのかケアマネジャーや、病院・施設のスタッフと情報共有のうえで、判断が必要です。

生活する場所にこだわりのない方であれば、近隣に呼び寄せたり、通える範囲内の施設に入居してもらったりできます。

介護が必要になったときは、まずは親の意向を確認して、必要なサービスを整えましょう。

家族で誰が対応するか相談しておく

あなた以外にもサポートできる家族がいる場合は、親の介護をどうするか事前に相談しましょう。

たとえば、2人兄弟の方が親の自宅を2週間に1回尋ねる場合、交代で対応できると4週間に1回のペースになります。

また、親の近くに住んでいる家族がいれば、緊急時の対応を任せられるため、一人で介護をおこなうケースと比較して、負担を軽減できるでしょう。

まとめ|遠距離で介護する場合は施設への入居も検討しよう

今回は、親の介護を遠距離でおこなうことになったときの対応を解説しました。

介護はいつ必要になるかわかりません。親と今後のことについて話す機会を作り、いざというときに慌てず対応できるようにしましょう。

遠距離での介護は負担になるため、施設へ入居する方も少なくありません。

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「北海道に親が住んでいるけど、近くに行くのは難しいため代わりに施設を探してほしい」「親を北海道に呼び寄せたい」と悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

介護に関する相談も無料で可能なため、遠距離で介護をすることになり不安がある方も、お問い合わせください。