パーキンソン病の家族を施設に入れたいときの費用やタイミング|利用できる補助金も解説

「家でパーキンソン病の家族を介護しているけど症状が悪化して疲れてきた」「施設に入れたいけどタイミングや費用がわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

介護に疲労や悩みが多くなったときは、施設を検討するタイミングです。

費用は施設によって異なりますが、月額約15万円が目安です。

この記事では、パーキンソン病の方が入居できる施設や老人ホームを検討するタイミング、利用できる補助金について解説します。

パーキンソン病で入れる施設・費用

パーキンソン病で入れる主な施設は以下のとおりです。

  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • パーキンソン病に特化した施設
  • 障がい者グループホーム

それぞれの料金は以下のとおりです。

施設の種類月額費用入居金
特別養護老人ホーム約9~13万円0円
介護付き有料老人ホーム約15~30万円0円~約1,500万円
サービス付き高齢者向け住宅約10~30万円0円~約100万円
パーキンソン病に特化した施設月額約15~30万円約10万円
障がい者グループホーム月額約6~9万円約3~10万円

各施設の特徴や利用条件を解説します。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、原則65歳以上かつ要介護3以上の方が入居できる施設で、24時間介護を受けられます。

要介護3は、一人では生活が難しく他者の介護が日々必要な状態です。

パーキンソン病は16の特定疾患のうちの1つで、40歳以上で要介護3以上の認定を受けていると入居可能です。

日中は看護師もいるため、パーキンソン病の薬が10時・14時など変則的な時間でも対応してもらえます。

有料老人ホーム

パーキンソン病の方が有料老人ホームに入居する場合は、介護付きがおすすめです。

パーキンソン病は進行性の病気で入居時は自分のことができても、月日が経つにつれて、徐々に身の回りのことができなくなります。

住宅型有料老人ホームでは介護が必要になると退去を求められる施設があり、再度施設を探す労力がかかるのです。

施設探しは、ご本人だけでなく家族の負担にもなります。

また、施設が変わると、ご本人が環境の変化に慣れるまで時間がかかり、安心して生活ができません。

北海道でパーキンソン病の方が安心して過ごせる施設を探している方は無料でお手伝い致しますので、あんしるへお問い合わせください。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、生活の自由度が高い点や有料老人ホームよりも費用が安い点が魅力です。

バリアフリーのため小刻み歩行による転倒リスクを自宅よりも軽減できます。

また、介護サービスが必要になった場合はサ高住では提供されていないため、外部のサービスを選んで利用できます。

パーキンソン病があっても身の回りのことができる方向けの施設といえるでしょう。

パーキンソン病に特化した施設

パーキンソン病に特化した施設は有料老人ホームや特養と比較して、下記のメリットがあります。

  • スタッフが対応に慣れている
  • 脳神経内科の医師による訪問診療を受けられる
  • 個別リハビリが最大週3回、集団リハビリを最大1日3回受けられる

パーキンソン病に慣れたスタッフであれば、入居する方も安心して生活できます。

また、訪問診療する医師は脳神経内科のため、パーキンソン病の知識が豊富で薬の調整も適宜してもらえるでしょう。

障がい者グループホーム

障がい者グループホームは、パーキンソン病の方が18歳以上から入居できる施設です。

40歳未満の方は介護保険の対象者ではないため、老人ホームへの入居ができません。

40歳未満の方が施設を探す場合、障がい者グループホームが施設を探す際に第一選択となるでしょう。

グループホームには日常生活における支援をおこなう世話人が在籍しているため、見守りが必要な方も安心して利用できます。

共同生活が中心になり、入居者の年齢は老人ホームと比較して若いため、障がいを抱える友人ができる可能性がある点も魅力です。

パーキンソン病で施設に入居する期間

パーキンソン病で施設に入居する期間は、個人差があり断定できません。

パーキンソン病の方の平均寿命は一般の方より2~3年短いため、長期に入院する可能性もあるでしょう。

厚生労働省が令和5年に実施した調査によると、平均寿命は男性81.09歳、助成87.41歳と報告されています。

上記からパーキンソン病の男性の平均寿命は78~80歳、84~85歳といえます。

先ほども解説したように個人差があるため、入居期間の目安にとどめておきましょう。

参考記事:令和5年簡易生命表の概況(厚生労働省)

パーキンソン病で施設に入れるタイミング

パーキンソン病があり自宅で過ごしている方を施設に入れるタイミングは、以下のとおりです。

  • 認知症を発症した
  • 介護負担が多く限界を感じる
  • 1人で過ごす時間に転倒が多くなった

それぞれ見ていきましょう。

認知症を発症した

パーキンソン病の方が認知症を発症すると、薬の飲み忘れが多くなり、介護負担が一段と増加します。

パーキンソン病は症状が進行すると、薬を飲んでも効果が短くなり動きが悪くなる状態になる「ウェアリングオフ現象」があります。

薬を飲むと症状が改善して体の動きが一時的に良くなりますが、飲み忘れがあると効果が切れた状態が続くため、転倒のリスクも高くなるのです。

また、薬の効果時間が短くなったり、飲み忘れがあると、幻視や幻覚の頻度が高くなります。

ご本人は認知機能の低下があるため「薬のせいで見えている」と感じてしまい、薬や食事を拒否するようになり、日々の介護が大変になるでしょう。

介護負担が多く限界を感じる

パーキンソン病は徐々に進行する病気のため、介護負担が少しずつ増えていきます。

パーキンソン病診療ガイドラインによると、症状が進行したときに約6割の方は不眠があると報告されているのです。

不眠が続くと介護する方も眠れなくなり精神的な負担が増加します。

また、うつ病や不安の増加も見られるようになるため、自宅での介護が精神的に負担と感じるケースが少なくないのです。

「最近疲れやすくなった」「介護がつらい」など悩みが出てきたら、施設を検討するタイミングといえるでしょう。

参考記事:パーキンソン病診療ガイドライン2018 第5章 非運動症状の治療(一般社団法人 日本神経学会)

1人で過ごす時間に転倒が多くなった

自宅での介護は、1人で過ごす時間がどうしてもあります。

パーキンソン病が進行している方は小刻み歩行や姿勢障害が悪化するため、症状が進行していない方と比較して転倒リスクが3.8倍増加すると報告されています。

1人で過ごす時間に転倒が多くなると、頭を打ったり、手首や足を骨折したりします。

頭を打つと脳出血のリスクがあり、骨折は長期入院により、食事や着替え、トイレなどが自分でできなくなるかもしれません。

転倒が多くなったときは施設に入居してもらうタイミングといえるでしょう。

参考記事:進行期パーキンソン病患者の在宅生活の継続および中断に関連する重要因子

パーキンソン病で施設を決めるときに見るべきポイント

パーキンソン病で施設を決めるときに見るべきポイントは、下記があります。

  • 介護スタッフが常駐しているか
  • 薬を飲む時間に対応してもらえるか
  • 室内の環境
  • 入居者の年齢層を聞いておく

ポイントを押さえて、入居する方が安心して生活できる場所を見つけましょう。

介護スタッフが常駐しているか

パーキンソン病の方は、薬を決められた時間で飲んでいても、突然体を動かせなくなったりするオフの状態、スムーズに動けるオンの状態になったりする「オンオフ現象」があります。

夜間トイレに行くときに、突然オフの状態になると転倒する可能性があり、スタッフが日中のみ働いている施設に入居した場合、発見が遅れてしまいます。

24時間介護スタッフが常駐している施設に入居すると、トイレへ行くときの見守りや定期的な巡視で事故の予防や、転倒後に早期発見できる可能性が高くなるでしょう。

薬を飲む時間に対応してもらえるか

パーキンソン病で飲んでいる薬は、症状に応じて食後以外にも服用する時間が細かく決められているケースがあります。

施設によっては薬を飲む時間が細かく設定されていると、対応してもらえない場合があります。

対応してもらえなければ、薬の効果が切れてしまい事故の可能性が高くなるでしょう。

薬を飲む回数が多い方は、服用する時間に対応してもらえるか確認してくださいね。

室内の環境

手すりやバリアフリー、トイレまでの導線など室内の環境を見学時に確認しましょう。

手すりやバリアフリーは施設であれば、ほとんど設置しているため心配ありません。

重要な設備はトイレです。手すりの位置や便座の高さ、水を流す操作がレバーもしくはスイッチでできるのかなど、入居する方に合っているか見ておきましょう。

入居者の年齢層を聞いておく

施設は高齢者の方が多く、平均年齢が70~80代の場所もあります。

入居する方が50代で「同世代と関わりたい」と考えている場合、70~80歳代の方が多い施設に入居しても疎外感があったり、満足感が得られなかったりするかもしれません。

入居する方の希望に合わせて施設の年齢層を確認しておきましょう。

パーキンソン病で施設に入居するときに利用できる補助金や制度

「パーキンソン病の家族を施設に入れたいけど経済的に心配…」と悩む方もいるでしょう。

パーキンソン病の方が施設に入居するときには、下記の補助金を利用できるかもしれません。

  • 介護保険制度
  • 難病医療費助成制度
  • 身体障害者福祉法
  • 障害者総合支援法

この章では、利用条件や補助される金額をお伝えするので参考にしてください。

介護保険制度

パーキンソン病は16の特定疾病に該当するため、40歳以上65歳未満の方も要介護認定を受けられます。

要介護認定を受けると、施設の入居条件を満たせたり、老人ホームで介護保険サービスを利用できたりします。

要介護認定がなければ利用できるのは自費サービスのみであり、経済的に負担となるでしょう

自宅での介護に悩んでいる状態であれば、要介護認定を取得できる可能性が高いため、検討してみてくださいね。

難病医療費助成制度

難病医療費助成制度は、医療費負担が3割の方は2割負担になり、自己負担上限額以上の医療費がかかるときは、全額助成を受けられる制度です。

薬の調整・症状を観察するために定期的な受診を求められるパーキンソン病の方は、利用したい制度です。

パーキンソン病の診断を受けただけでは利用できず、下記のどちらかを満たす必要があります。

  • パーキンソン病のホーンヤール分類Ⅲ以上・生活機能障害度2以上の両方に該当
  • 医療費の支払いが月額3万3,330円以上かかる回数が年に3回以上ある

どちらかを満たしている場合、難病指定医による診断書や住民票などの書類を準備して都道府県や指定都市の窓口に申請しましょう。

申請が認められると「医療受給者証」が交付され、医療費の助成を受けられます。

参考記事:難病情報センター(公益財団法人難病医学研究財団)

身体障害者福祉法

パーキンソン病は、身体障害者福祉法における「肢体不自由」に該当するため、障害者手帳を交付してもらえます。

施設に入居する方にとって嬉しい補助には、交通機関やタクシー料金の割引などが受けられます。

施設入居後も通院する方であれば、交通費の負担軽減に役立つでしょう。

障害者総合支援法

障害者総合支援法は、訪問介護などの介護給付を利用できます。

サ高住に入居して訪問介護を外部サービスで利用する場合、障害福祉サービスが役に立ちます。

注意点として要介護認定を受けている場合は介護保険サービスが優先され、障害者総合支援法による給付は受けられません。

しかし、介護保険サービスでは対応できないもので、障害福祉サービスで提供されている場合は障害者総合支援法による給付が受けられます。

参考記事:障害福祉サービスについて(厚生労働省)

まとめ|北海道でパーキンソン病の方を施設に入れたいときはあんしるへご相談ください

パーキンソン病は、自宅で介護を続けているうちに介護負担が増加します。

介護について相談したいと感じた場合は、市区町村の地域包括支援センターなどに相談してみましょう。

無理をして介護を続けると、介護者のあなたが体調を壊してしまうかもしれません。

北海道でパーキンソン病の介護に悩んでいる方は、あんしるへのご相談も検討してみてください。

あんしるは、北海道内のパーキンソン病の方が利用できる老人ホームを無料で紹介しています。

ご相談のみでも無料で利用できるので、お気軽にお問い合わせください。